「ウクライナ徹底破壊の恐怖がハルキウに迫る」(Newsweek2024年5月28日号)

 ロシアと国境を接するハルキウは、ロシア侵攻をウクライナが押し返した象徴的な地域がロシア国内の拠点からの攻撃の対象とされ、第2のマリウポリになる危険性が迫っているとされています。

 ウクライナは米国からロシア領内への攻撃を禁止されているため、ハルキウから目と鼻の先にあるロシアの拠点を攻撃できず、そのことを知っているロシアは、キウを空爆で無力化し、国境に緩衝地帯を作ろうとしているのではないかということです。

 ウクライナの武器不足も深刻で、ウクライナ第2の都市ハルキウが危機に瀕しているということです。

 これは仮に中国が台湾に侵攻した場合、台湾は中国領土への攻撃を禁じられるということを示唆しているのだろうか、北朝鮮が国境を越えて韓国に侵攻した場合、韓国は米国から北朝鮮への攻撃を禁じられるのであろうか、また仮に北朝鮮や中国から日本にミサイルが撃ち込まれた場合、日本は北朝鮮や中国領土への反撃を許されないのだろうか、ということを考えざるを得ない状況です。

 日本国内では、憲法上の制約もあるでしょうが有事となれば、国内世論は他国領土とはいえ、ミサイルの発射拠点への反撃ができないということにはならないでしょう。

 いずれにしても、戦争がエスカレートする危険性を抑制しつつ、自国の防衛を果たすという重要な場面で欧米の政策的判断に従わざるをえないということでしょう。

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)