創業194年の老舗旅館女将が持つ時代を見抜く観察眼と実行力

「ピンチこそ最大のチャンス 京都・綿善旅館の〝逆張り経営〟」(Wedge2024年5月号)では京都の老舗旅館の社長(女将小野雅世氏)の経営手法が紹介されています。

 小野氏が旅館に入ったとき社員が面白くなさそうに働いているのを見て聴き取りを行い、人によって違っていた手順を標準化するなどして信頼を得ていきました。

 またコロナ禍では顧客がいない中、小中学生向けに寺子屋イベントを開催したり不安になる社員にキャッシュフローを見せて説明するなどして対応します。

 そしてコロナ禍で売り上げが立たない中新しい社員を採用しています。この時期は多様な背景をもつ優秀な人材が採用できる好機ととらえたのでした。実際にこのときに採用した社員が様々な提案をしてくれるということでした。

 そしてコロナが明けてインバウンド客が戻ってきたとき、あえて稼働率を50%に抑えて1家族につき2部屋を使ってもらうという形をとっているということでした。

 これは若い世代の社員が給与よりも時間を求めているということ、旅館のサービスとして親子3世代をターゲットにしてより付加価値の高いサービスへと転換しようとしていることなどが理由であるということでした。

 インバウンドで外国人顧客が押し寄せる中あえて顧客を選択し自社のサービスの価値を高めようとしている戦略は今後の中小企業の在り方に大切なことを教えてくれているように思います。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)