「THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法」(シーナ・アイエンガー著)の第8章にビートルズの「イエスタデイ」が完成するまでの過程が紹介されています。
1964年ポール・マッカートニーが起床すると頭の中にメロディと歌詞が流れていたといいます。そのときマッカートニーは友人たちにこのメロディと歌詞を聴いたことがあるか、と尋ねたということです。
マッカートニーは既に頭の中にあったメロディが既存のものでないことの確認をとったのです。そして友人やメンバーを通して「イエスタデイ」をブラッシュアップして完成させていったのです。
自分のアイデアが第三者の目から見た場合、正確に伝わっていないという経験は誰にもあると思いますが、著者は具体的な戦略を実現へと進む前にこの第三者の目によるフィードバックを行うように、としています。
注意しなければならないのは、よいか悪いかを尋ねるのではなく、よかった部分、悪かった部分、改良する方法を知っているかを尋ねるということです。
マッカートニーもその曲がよいか悪いかは訪ねていません。アイデアを考えた人には第三者とは異なる知識、経験、状況にあるのですから、相手の全体的な意見を聴いても自分のアイデアをよくする方向には働かないということでした。
水野健司特許法律事務所
弁護士 水野健司