日本企業が陥りがちな「徒競走的競争」に終止符を(Wedge 2024年7月号)

 日本が欧米を追いかけていた時代は、目的が明確だったため、時間をかけて努力すれば、それなりの報いを得ることができました。

 しかし、日本が欧米に追いついた平成初期のころからは日本が自ら顧客を創造しなければならない時代となっており、どれだけ時間や労力をかけても効果が得られないことは当たり前になってきたということです。

 顧客の求めているものを探さなければならないのは、借り物競争的とも比喩されています。そして、顧客は顧客が欲しがっているものをイメージできていない場合もあり、商品やサービスを創造し、顧客を創造するという従来とは格段に異なる難しい競争に対応する必要がでてきているということです。

 私が思うに、今後は異業種の成功を自分の分野で試してみること、自社の行っている事業そのもののポジションを変えて新しい視点で顧客を獲得することを試行錯誤しながら、顧客を創造していく必要があり、その手法自体も従来の枠組みを超えることが必要とされているように思います。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)