イギリスの新首相であり労働党党首のスターマーについての記事ですが、分断が進み保護主義的な勢力が台頭してきている世界にあって、この人物は強い理念をもたず、新しいイギリスなどという大胆な政策を打ち出さないという点に特徴があるようです。
これまでは強い政治的信念の下で支持を集めて首相になるケースが多かったということですが、このスターマーという人物は問題が起きれば専門家を集めて解決するというスタンスであり、リーダーというより調整役に徹したマネージャーという人柄だと表現されています。
議会からも信用できない人物でないという消去法で労働党からも保守党からも投票されて首相になったという、消去法で選ばれたような印象です。
最近のイギリスでは短期間で首相が入れ替わっており強いリーダーシップが裏目に出るケースが多かったという背景もあるとは思いますし、米国のような大統領制ではなく、日本のような議院内閣制を採っているということで、強いリーダーというよりも個々の意見を調整するということに重点が置かれて首相が選任されるという傾向もあるのかもしれません。
今後このスターマーがどのような行動を見せるのか見守っていきたいと思います。
水野健司特許法律事務所
弁護士 水野健司