「データサイエンスと経営を結び付ける方法」(ハーバードビジネスレビュー論文)

 この論文ではデータサイエンスの成果が経営者にわかる言葉で伝達されないという「ラストワンマイル問題」に対する取り組み方法が提示されています。

 統計学的な客観性を重視するデータサイエンティストと実務的な人事や方針などを決定する取締役には知識も関心も異なるためコミュニケーションが成立しないという問題はよく起こります。

 この論文では、データサイエンスを4つのタレントに分解してチームを組む方法が提案されています。それはデータラングリング(処理)、データ分析、デザイン、ストーリーテリングの4つでこれは4人という意味ではなく、一人が複数のタレントを兼ねることも、一部のタレントが外部の人によって構成される可能性があることも含んでいます。

 そしてこのチームが他の立場を理解しコミュニケーションを通じて共感しあうことにより正確にデータサイエンスの成果が取締役会に伝わるとしています。

 データ分析ではリベラルアーツの理解、人間に対する理解が必要であり、またデザインやストーリーテリングを軽視してしまうと経営に反映させることが困難となります。それは理解していないことを経営に反映させることはできないからです。

 技術者が人文系の人に正確な理解を伝えることはデータサイエンスだけでなく、常に困難な問題ですが、一般的にもこの方法により改善することができそうです。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)