AIの画像学習を革新 数式データで変形回避(日経サイエンス2024年4月号)

 医学や工場のエラー検出など画像認識を行う場合通常は膨大な数の画像データを学習させる必要があるとされていますが、この片岡氏の方法ではフラクタル幾何学から算出した数式モデルに画像データを落とし込むため、効率的に画像認識を実現できるということです。

 画像データをベースとする場合、人種間で例えば黒人をゴリラと認識してしまったり有色人種が白人よりも認識率が劣るなど倫理的な問題が発生してしまうこともあるそうですが、この片岡氏の方法であればそのような問題も起きないということです。

 おそらく画像認識を点ベースで行おうとすれば従来の画像データベースで学習する必要があるでしょうが、画像を形状で認識するような場合であればこの片岡氏の方法は威力を発揮するのではないかと思います。

 いずれにしても現在の日本では画像認識の世界的水準が高いとはいえず、AI関連分野の有力な技術として発展を期待したいところです。

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