2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

混沌とした世界を読み解く

先日(1月25日)愛知同友会名古屋第3支部の合同例会で真田幸光先生の話を聴かせていただきました。 昨年のハマスによるイスラエルに対する攻撃は唐突に起きたものではなく、ハマスの後ろ盾となっているイラン、さらにはロシアのプーチン大統領が英米国に…

ダイハツ不正は「社風」のせい? (Newsweek日本語版2024年1月23日号)

筆者によればダイハツの長期にわたる大規模な不正は組織のガバナンスが機能していなかったことに原因があり、これを自己中心的な考え方をする社風に求めるのは疑問があるとされています。 筆者によれば、製造現場では限られたセクション毎に責任をもって管理…

「失敗の科学」(マシュー・サイド)

航空業界ではかつて数多くの事故が起きていたが、ブラックボックスの分析と改善で驚くべき進歩を見せてきました。これに対し、例えば医療における手術事故ではミスをミスと認めない権威主位的な態度をとる医師が絶対的な存在で、真実が明るみになることはほ…

「言葉のAI」数学で磨く 創薬や診断を強力に支援(日経サイエンス 2024年2月号)

創薬にAI技術を応用しようというものですが、これは医学・薬学分野の論文を解析して、創薬研究に必要な標的分子を探索しようとするものです。 記事によれば論文から遺伝子、分子などのキーワードを摘出し、ベクトル値を与えて関連性をみていくというもので、…

「都市の足元で起きている進化」(日経サイエンス 2024年2月号)

都市の雑踏に生えるカタバミは厳しい環境の下で進化を遂げており、葉の色が赤色になってきているとの報告です。都市はコンクリートやアスファルトによりヒートアイランド現象が起きており、これに対応するため、カタバミの葉が赤色になってきているとのこと…

「デービッド・アトキンソン 日本再生は、生産性向上しかない」(デービッド・アトキンソン)

イギリス人アナリストの筆者が日本経済を再生させる方法を分析的に検討しています。 日本の高度成長は技術と勤勉さによるものという日本人の一般的な理解が、実はそうではなく1億2000万人の人口規模が大きな要因だったとしています。日本人からの視点で…

「ティール組織」(フレデリック・ラルー)

組織が本来もっている能力を最大限に発揮するにはどうしたらよいか、という難しい問いにわかりやすい比喩を使いながら説明されています。 著書によれば、多くの会社では社員に強さが求められ、本来もっている弱い部分は隠さなければならず、職場では仮面をつ…

「多様性の科学」(マシュー・サイド)

会社などの組織で多様性を高めることが大切だということはわかっていても、効率や生産性とは相容れないのではないかという疑念が伴います。それは多様性よりも能力の高い者を集めて精鋭集団とした方が、高い生産性を得られるのではないかということが直感的…

「ヒット曲が駄作か?」(日経サイエンス2024年1月号)

記事によると血流を検出することで、楽曲を聞いたときの状態からその曲がヒットするかしないかを97パーセントの確立で当てることに成功したということです。これは曲を聞いた時の情動や没入感が血流に影響を及ぼすことを利用して、判断しようとする試みで…

システム開発を準委任とするメリット

ソフトウエアによるシステム開発を業務委託で行う場合、通常は仕事の完成が目的となっていることから請負契約であると判断されます。 しかし、場合によってはこれを準委任と判断した裁判例もあります。準委任となれば、仕事の完成が目的となるものではなくな…

「ロングゲーム」(ドリー・クラーク、㈱ディスカヴァー・トゥエンティワン)

現代のプロフェッショナルは常に忙しく短時間で多くのスケジュールをこなしています。これは忙しくしていることが一種のステータスであることに加えて、より根源的な質問、これが自分の人生にとって正しいことなのか? ということに答える必要がないというこ…

日本企業にはびこる昭和型経営と決別するとき(Newsweek日本版2024年1月16日号記事)

旧ジャニーズ事務所では長期間に渡り、深刻な虐待が行われていながら全体的な権力格差構造が原因で是正されないままになっており、これは日本では特に珍しいことではない。日本では企業で性的マイノリティがその志向を公表することが少ないとされています。 …

指針プレ発表会に参加しました

先日愛知同友会の指針プレ発表会に参加しました。これは指針作成編の総仕上げとして社内で指針発表を行う前に内容を他の会員にチェックしてもらうというものです。 お互いにミニ報告を通じて外部環境が変化していく中での自社の動きをどのような方向性で運営…

「ジョブ理論」(クレイトン・M・クリステンセン他、ハーパーコリンズ・ジャパン)

イノベーションで著明なHBS(ハーバード・ビジネス・スクール)教授のベストセラーです。スカイ分析と示唆に富んだ著作ですが、私が特に共感したのは相関と因果の説明です。 私なりの具体例で話を進めますが、例えば、秋から冬になり気温が落ちるとコンビニ…

「仕事の生産性が上がるトヨタの習慣」((株)OJTソリューションズ、KADOKAWA)

トヨタ生産方式といえばカイゼンとなぜ?をくり返すことでよく知られていますが、事務作業が中心のサービス業でも大いに参考になります。 従来のやり方に疑問をもち、何が問題であるかという意識を持てるようにすることが出発点です。小さなことでも問題を指…

「決して見破られない秘密」 (日経サイエンス2024年1月号)

記事によると、秘密にしたい情報を自然な会話のやり取りの中に完全に隠す方法が開発されたとのことです。あるメッセージを敵に知られることなく、味方に知らせるために自然なチャットを交わす形で送ることができる。これは犯罪組織にも独裁国家の民主化運動…

会社は従業員のプライバシーにどこまで関与できるか

会社の経営者が従業員のプライバシーにどこまで介入できるかは判断が難しい場合もあります。 例えば、勤務時間外の政治活動や宗教活動を調査するために後をつけたり、探偵を使って調査することは特に合理的理由がなく、違法となるでしょう。 しかし、会社が…

「まあ、空気でも吸って」(海老原 宏美、海老原けえ子、㈱現代書館)

筆者は全身の筋肉が萎縮する脊髄性筋萎縮症II型という難病で障害者の社会進出を訴えています。 エレベータもない地域の普通高校に車椅子で通い、同じ高校内の生徒に声をかけて車椅子を4人で担いでもらう、大学では自ら介助のボランティアを募集して両親から…

生成AIがもたらす法律問題はどのようなものか?

チャットGPTなど生成AIはどのような法律問題が生じるでしょうか。 まずは著作権です。チャットGPTはインターネットに存在する情報を基礎に加工した文章を生成するものですから、オリジナルの著作物を複製することは当然、多少修正を加えたとしてもオリジナル…

なぜ日本でイノベーションが起きなくなってしまったのか。

かつてはソニーのトランジスタラジオ、ウォークマンなど世界でも革新的な製品を生み出していた日本もここ数十年はどうも停滞ぎみです。ipodやiphoneはソニーが生み出してもよい製品だったともいわれています。中国国内で販売されているHUAWEIのスマートフォ…

今年の取り組み

当事務所は特許や知的財産の実務に関する経験が豊富で、特に情報技術に関する技術面についても対応が可能です。 具体的には、ソフトウェア、工業製品、化学製品などの業務委託契約、ライセンス契約、守秘義務契約などの契約実務があげられます。 また技術に…

当事務所の理念について

「私たちは、何が正義に適うのかを追求し、法を通じて実現します。」 現在の社会や大きな組織では、権力や常識、知識や財産の差などの理由で弱い立場にある人たちが、不合理な取扱いを受けることがあります。そのような人たちは、交渉するための情報や知識が…

令和6年1月1日

年が明け、令和6年(2024年)となりました。今年はパリでオリンピックが開催される他、11月にはアメリカ大統領選挙が予定されています。 昨年は中東でも紛争が発生し、原材料や電気料金などの高騰により、中小企業の経営は苦しい状態が続きました。中…