ロシア「五選」プーチンの傾向と対策(Newsweek日本語版2024年4月2日号)

 日本でもロシアの大統領選挙でウラジーミル・プーチンが圧勝したことに特に驚きの報道はありませんでした。

 またプーチンウクライナを侵攻している事実について、人権尊重、法の支配、民主主義といった基本的な価値観から相容れないことも一致した見解になっています。

 この記事は、オーストラリアの駐ロシア大使だった筆者によって書かれていますが、プーチンやロシアの現状は私たちが考えているよりも、はるかに複雑であることを教えてくれます。

 民主主義は指導者の任期が短いため、長期的な視点に立って政策を進めることに限界があり、米国のトランプ候補のように極端な保護主義的な考え方をする人物が現れたりして、民主主義の脆弱さを露呈しているとしています。

 私たち西側では、民主主義の何を重視し、何を守り、どれだけの代償を払って守り抜くかという覚悟が求められています。民主主義の価値観を維持しようとするのであれば、深い信念と理解を伴う強い指導者が必要であるとしています

 プーチンが独自の世界観と歴史観からウクライナの人々を救おうとしていることを多くのロシア人が信じていることも無視してはならないし、また多くのロシアの若者が民主主義を求めているはずだというのも根拠のない楽観主義にすぎないとしています。

 この記事が指摘するように日本にいると、すべてが善悪で整理されて報道がなされていますが、どちらの立場にあっても言い分はあるということであり、単純な見方をすることの危険性に気付かされます。

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)