「統計学 コイン投げの公平性」(日経サイエンス2024年5月号)

 コインを空中に投げて表か裏かで何かをきめるというコイン投げですが、50パーセントで表又は裏が出るものと考えがちなところ、これに疑問を呈し、35万回以上もの実験から、最初の面が出る確率がわずかに高いことがわかったのです。

 実験によると、最初に表だったコインを空中に投げた場合50.8%の確立で同じ表面がでるとのことです。

 理論的には空中で最初の面が上になっている時間がわずかに長いからだということで、51%の確率で最初の面と同じ面が出ると考えられるということでした。

 仮にこれらのデータを知らない人たちの中でコイン投げを行うとしたら、この法則を知っているあなたは1%だけ優位に立てることになるということです。

 もっとも、最初に表か裏かを隠してしまったり、空中に投げる方法を使わないで手の中で振るような方法の場合は、この知識は役に立たないとのことでした。 

 今回は35万回という実験を実現するために数十人の被験者が週末をコイン投げで過ごしたとのことでしたが、統計学の検証というのも地道で粘り強いアプローチが必要なのだということがわかりました。

 

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