「本格的人口減少下の日本 創造的復興に必要な視点」(Wedge2024年4月号)

 令和6年元日の能登半島地震は本格的な人口減少下での復興が問題になった初めてのケースだといえそうです。

 創造的復興は阪神淡路大震災のころに言われた言葉とのことですが、不幸には、街、人、仕事の3つの視点が欠かないとのことで、人口がある程度集まっている状況であれば、街(空間)を作れば人が集まり、不動産は交換価値をもつようになるとのことです。人の活力に街の復興が遅れると、人と仕事があふれかえり、スラム化するといいます。

 日本では東日本大震災の後でもスラム化するような場所は現れず、むしろ400キロにも及ぶ防潮堤はそこに住む人口に対して過剰なインフラではないかという疑問が投げかけられたとのことでした。

 人口減少下にある能登半島でいくら住居を整備しても仕事がなければ、人が集まることはなく、まずは仕事があることが優先されなければならないということです。

 人口減少下の創造的復興は身の丈に合った復興が必要であり、仕事、人、街をバランスよく復興させていく必要があるとのことです。

 記事によれば、将来的に人口増加が見込まれるのは東京都だけであり、他の道府県はすべて減少に転ずるとのことでした。

 街を作れば人が集まるというフィールド・オブ・ドリームスのような状況ではないことを十分に考慮して復興計画を考える必要がありそうです。

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