著者は14歳時に失明後、日本IBMの技術者として「ホームページ・リーダー」を開発し、その後もカーネギーメロン大などでアクセシビリティに関する技術開発で世界の技術をリードしています。
現在視覚障害者向けにはスーツケース型の自動走行システムの実用化に向けて開発を続ける一方、日本のイノベーションを強く推進するべく教育にも力を入れています。
女性で視覚障害者という立場でありながら、その能力と熱意を十分に生かす組織としての在り方、障害者でなければ発信することができない視点、多様な技術を組み合わせる総合力のどれをとっても進化した形で実現されており、驚かされます。
特に日本でよく聞かれる「何かあったらどうするんだ」という、事なかれ主義はイノベーションにとっては阻害要因でしかなく、そのようなことではイノベーションは起こせないという考え方にはとても共感させられます。
浅川氏の取り組みは、大手企業や有名大学を中心として、日本のリーダーに働きかける大きなものですが、わたしたちは地域の中小企業として同じ価値観に立って地域でイノベーションを起こすことを考えていきたいと思います。