「ヒズボラ「ローテク作戦」の盲点」(Newsweek日本語版2024年10月1日号)

 2024年9月17日レバノン各地でポケットベルが一斉に爆発し12人が死亡、2700人以上が負傷し、翌日にはトランシーバーが爆発したという事件が起きました。ポケベルの爆発にはイスラエルが関与していたとされています。

 ヒズボライスラエルの監視を逃れるためにあえてローテクのポケベルを利用して位置情報や通信を発信してしまわないようにしていたが、イスラエルが見事にその裏を突いたということです。

 この記事が述べるように非対称的な紛争ではたとえ戦闘能力や資金力で劣っていてもあえてローテクの武器や戦術を駆使することで戦いを有利に進められることがあるとしており、ハイテク技術で上回るイスラエルが常に勝つとは限らない。実際に昨年の10月はハイテク装置で防御していたはずのイスラエルハマスが奇襲を仕掛けて1200人以上のイスラエル人の殺害と多数の捕虜の獲得に成功しています。

 しかし今回はローテク通信装置が爆発したということで、ヒズボラは今後どのように情報の伝達をするのだろうか、こうなるとイスラエルが先回りして次の通信手段にも細工をしているのではないか、との無言の恐怖があるのではないかと思います。

 日本としてはイスラエルのような国とは敵対関係にならないのがよいということはいえますが、国家として情報セキュリティをもっと高める必要があることは間違いないでしょう。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)