私たちが経営で直面している課題は常に変化し、新しいものとなっています。そのためこれまでの前提で判断していくことは衰退に向かっていくことになりかねません。
日本の小中学校では正確に回答することが求められていますが、このような正解があることを前提としたスキルの習得だけでは発展的な発想は得られません。
つまり正しく回答することではなく、正しく問うことが大切なのだということがわかります。
本書籍では様々な経営者が経験を紹介していますが、ある経営者がビジネススクールで経営戦略の教授が最後にテストで出した問いが、この建物で清掃を担当している者は誰か、彼女の名前は何か、というものでした。教授は経営戦略の知識だけでは不十分であり、経営で成功するためには他の価値観も試される、すなわち事業は誰の協力があって成立しているのかを知らなければならないという教えでした。
正しい回答を求めることよりも正しく問いを設定することが経営者にとっては必要であるということがわかります。