「真の脅威はロシアではなく中国だ」(Newsweek日本語版2024年5月14日号)

 欧米は、ロシアのウクライナ侵攻に対し経済制裁で対抗してきましたが、ロシアは軍備を拡大しつつあり、制裁が効いているようには思えないのに対し、安価な天然ガスの供給を絶たれたことの影響は深刻で経済の停滞を招いているとしています。

 また、ロシア中央銀行に対するロシア資産の凍結などは、ドルの国際的信用を一部の国で失うことになり、中国人民元の国際的価値を上げることになり、安価な燃料や穀物を入手できる中国は地政学的にも優位に立ちました。

 将来中国は、台湾に侵攻した場合にどの程度の経済制裁を受けるかを考えながら軍備の拡大を進めており、経済的にも軍事的にも脅威は中国にあるのは間違いないといえるでしょう。

 ロシアが目指すのは近隣の国々への影響力拡大でしょうが、中国が目指すのはアメリカにとって代わるというものであり、中国が軍事的に世界を制圧すれば、1つの中国は全世界を領土とする事態になりかねないということです。

 そのとき日本に抵抗するような力がないのは明らかでしょう。私が生きている間にこんなことにならないことを願うばかりです。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)