日本の経済衰退から学べること(Newsweek日本語版2024年3月号19日26日合併号)

 日本がGDPでドイツに抜かれ世界4位になった事実については極端な円安が原因であるとして深刻に受け止めない報道が多いが、このドイツ出身の経済専門家の指摘は極めて深刻な事実を指摘しています。

 日本はかつてビデオレコーダー等精密工学分野で圧倒的な技術力を誇っていましたが2000年代に入ると半導体分野で他国に大きく後れをとることになったとされています。

特に貿易での稼ぎやすさを示す指標である貿易条件(輸出物価指数/輸入物価指数)について日本は他の先進国と比較して急落しており、80年代には160%あったのに2008年には100%を切っているとのことでした。

 なぜ日本のメーカーは将来性のないビデオレコーダーに早く見切りを受けてデジタル分野で主導権を取ろうとしなかったのか、日本政府はもっと将来性のある分野で技術革新を促さなかったのかと疑問が投げかけられています。

 日本は精密工学分野で成功を収めたことで自国の技術に過信があったのではないか。いずれにしても過去の成功にとらわれることなく新しい技術や変化について常に学び、取り入れていく姿勢をもつことが重要であり日本のような相対的な衰退は世界に対する影響力の低下をもたらすということでした。

 私たち中小企業が学べることも同じであり、過去の成功にとらわれることなく常に新しい技術に対応しつつ変化を続けていかなければ衰退だけが待っているということでしょう。

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)