「Who Gets what (フー・ゲッツ・ホワット)―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学」(アルビン・E・ロス)

 腎臓移植は血液型など適切な組み合わせでなければ成功しないが、例えば夫が腎臓移植を希望し、妻が腎臓を提供できる場合、どのようにして多くの患者を救うための腎臓移植を成功させるか、これには病院の患者の囲い込みなど多くの利害が関わることになります。

 筆者は、このようなマッチングの問題に対してアルゴリズムを考案することでノーベル経済学賞ロイド・シャプレー氏と共同受賞しています。

 これは学生のリクルート、生徒が公立学校を希望するような場合も同じような問題があるとされています。他の競合相手が他人を出し抜こうとするため、難しい駆け引きをしなければならなかったという経験は誰もが持っていると思います。

 特に重要なことは公立学校の選択などで適切な教育が得られないとなれば、制度自体が信頼を失い、その地域を離れてしまうか、私立学校を選択してしまうということです。

 そのため制度を設計する側に立つ人には、このような学問があり、その成果が明らかになっていることをよく認識してもらう必要があるということです。

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

 

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