「ハマース指導者暗殺は何をもたらすか : ガザ戦争のゆくえ」(世界2024年10月号山本健介氏の記事より)

 2024年7月31日イラン国内ではマースの政治局長ハニーヤが暗殺される出来事があり、イスラエルが関与したとされています。

 この記事ではハマースの組織がこの指導者暗殺によってどれだけの影響を受けたのかについて解説しています。

 記事によると、ハマース内でも話し合いによる解決に積極的な穏健派とイスラエルを破壊しようとする強硬派があり、暗殺されたハニーヤ氏は穏健派でありながらも強硬派とも話ができる貴重な存在だったとされ、この指導者の死はハマースに大きな痛手となったのは間違いないという。

 しかし、このハマースという組織は過去にイスラエルと紛争を繰り返してきた経験から、一人の指導者に権力が集中しその指導者がいなくなると組織が機能不全になるような体制にはなっていないということです。

 つまり政治局長であっても各リーダーとの協議を通じて意見が集約されることになるし、またカタール国内のハマース組織でも権力が与えられておりイスラエルと交渉できるという体制になっている。

 今回のハニーヤ氏の死亡により新しく強硬派のシンワール氏が政治局長に就任したが、このことによってハマース全体が従前の方針を大きく変えることは考えにくく、実際にはマース組織内で内紛などが発生している様子もないということです。

 ハマースのような前近代的テロ組織ですが、意外と(?)民主的な手続きがとられていて組織の継続性が維持できる体制が構築されていることに感心しました。

 いつ指導者が暗殺されるかわからないような組織では経験的に指導者に権力が集中しすぎないように進化することになるということであり、ロシアや中国ではどうなのだろうか、と考えさせられる記事でした。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)