日本では、阪神淡路でも東日本でも震災後力強く立ち直るというイメージがあり、今回の能登についても当然のように復興が果たされると信じていました。
しかし、輪島市では半年が過ぎても倒壊した建物や家屋がそのままになっており、水道が通っていない地域も多いということで、これまでの震災後復興とはかなり違った様相を見せています。記事にもあるように奥能登の集落では仮設に戻ってくる人たちもいますが、過疎地域の事情は震災前も同じような状況であったということなので復興といっても元の繁栄した状態に戻すということはできないということです。
現在は、復興というよりまだ復旧を進めているという状況ですが、そんな中で石川県では将来の能登の在り方について復興プランを打ち出したといいいます。住民との話し合いの中で能登の自然、生業、伝統の祭り、人とのつながりといった能登という地域がもつアイデンティティに触れ、この地域の存在意義や未来像を文書にまとめ上げたということです。
その中心に金沢大学の谷内江 昭宏理事がいて、地元に腰を据えて取り組むということでした。奥能登の現状は未来の日本の姿でもあり、この地域がどのように復興を果たすのか。理念からの復興アプローチがどれだけ機能するのか。今後も注目してみていきたいです。
水野健司特許法律事務所
弁護士 水野健司