埼玉「外国人街」直視すべき日本の「将来像」(選択2024年7月号)

 埼玉県川口市は人口の7.1%が外国人で近年増加しており、未来の日本の姿を映し出しているといえそうです。

 まず、クルド人の居住エリアではクルド人向けの飲食店ヤードと呼ばれる資材置き場で閑散とした雰囲気があり、改造自動車や交通法規を守らない運転が地域で問題になっているということです。クルド人はシリアなどで迫害を受け、難民として逃れてきた人々ですが、適法に在留資格を持たないクルド人も多数暮らしているという現状で地域議会でも騒音、違法行為などが議題に挙げられているということです。

 一方中国人街では、過去には深夜に騒音を出すなどの問題があったものの、中国人コミュニティと話し合いの機会をもち、日本でのルールをていねいに説明したところ、地域住民とのトラブルはなくなったということでした。

 ただし、中国人は20代から30代で大学を出た技術者が多いのに対し、地元住民は少子高齢化で世代も異なり私生活での交流はあまりないということでした。

 今後は高学歴で裕福になった中国から日本に来る人は減少し、ベトナムやフィリピンなどからの居住者が増えるのではないかということでした。

 記事では、今後は移民受け入れを増加せざるを得ないのではないかとしていますが、ジャレド・ダイアモンド氏が指摘したように日本は歴史的にみれば移民を受け入れて発展してきたという経験はなく、生来的に移民が築いてきたアメリカとは違う施作が必要なのでしょう。

 

水野健司特許法律事務所

弁護士 水野健司

水野健司特許法律事務所|技術・知的財産、外国企業との契約書を中心に解決 (patent-law.jp)