米国の大学での学生デモの規模は、ベトナム戦争以来になったとされています。ここではいくつかの問題を3つの視点から整理して説明されています。
まず、イスラエルのガザ攻撃により多くのパレスチナ人が死亡し、今も人道上の危機にあることです。ただし、この原因はハマスのイスラエル領内でのユダヤ人の1300人を超える殺人があり、ハマスの目的がイスラエル及びユダヤ人の壊滅にあることを見逃がしてはならないということです。
つぎに、大学におけるデモは言論の自由であるが、これにより公共の安全、さらにはユダヤ人学生が標的にされてしまうという問題です。ユダヤ人が標的にされることでイスラエルを強力に支援する共和党のトランプ氏の政策と結びつけられているということです。
そして、学生のデモがリベラルな民主党、イスラエル・ユダヤ人が共和党とそれぞれ結びつき、共和党支持派からは学生のデモを問題視するが、パレスチナの人道状況を危惧する民主党に対する批判となっているということでした。
時期的に米国大統領選挙の時期であるとはいえ、共和党支持派でもパレスチナの人道状況を問題視する人はいるでしょうし、民主党派でもデモの行きすぎを疑問視する人はいると思いますが、様々な場面で主義・主張が違うため、議論がわかりにくくなってしまっているようです。
水野健司特許法律事務所
弁護士 水野健司