経営

なぜ1/4インチの穴ではなくドリルを売ろうとしてしまうのか?(「ジョブ理論」、クレイトン・M・クリステンセン著、第8章より)

「人々が欲しいのは1/4インチ・ドリルではない。彼らは1/4インチの穴が欲しいのだ。」というセオドア・レビット氏の名言がありますが、企業は商品を売り出すとなぜか1/4インチの穴ではなく1/4インチのドリルを売ろうとしてしまうとされています。商品を開発…

Z世代がブランドに期待する価値観は?(Z世代マーケティング 世界を激変させるニューノーマル 第6章 ハーパーコリンズ・ジャパン)

2018年ナイキがネット広告で米国アメフトリーグを追放されたキャパニックの写真とともに「何かを信じろ。たとえそれがすべてを犠牲にすることを意味しても」とのメッセージを発信して、メディアで批判を浴び、ナイキに対する抗議に発展したということが…

老人介護施設の実験からわかる自主的で活発な組織を作る小さな違い (選択の科学、第1講、コロンビア大学ビジネススクール特別講義、シーナ・アイエンガー著)

コネチカット州の老人向け介護施設で1976年に行われた研究が紹介されています。 一つ目のグループAでは、植木鉢を与えられるがその世話は職員が行う、週2回映画が見られるよう職員が手配する、他の使用者と交流することも許可される、そして職員が入居…

非対称性から強みを軸に戦略を組み立てる(戦略の要諦、第11章、リチャード・P・ルメルト著)

戦略を組み立てる第一歩が強みをもつということです。これは同業他社とは異なる非対称性をもつ要素で、特に、情報、ノウハウ、地位、熟練、組織の運営といったものです。ここで地位とは、ブランドや評判、流通チャネルといったものです。 他社と違う点はどこ…

デジタルを使ったマーケティングにはどのようなものがあるか?(「コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略」、第8章~第12章、フィリップ・コトラー 他2名 著、朝日新聞出版)

デジタルを使ったマーケティング手法として、データドリブンマーケティング、予測マーケティング、コンテクスチュアルターゲティング、拡張マーケティング、アジャイルマーケティングが紹介されています。 今となってはどれもよく知られた手法ですが、改めて…

デジタルトランスフォーメーション(DX)を戦略的に取り入れて効果をだすには?(「マッキンゼーでREWIRED」、section1-3、エリック・ラマール他2名 著、東洋経済新報社)

デジタル化、生成AIを自社の業務に取り入れなければ今後大きく後れをとってしまうと考える経営者は多いはずですが、DXで成果を得るところまでもっていくのはかなり難しいのが現実です。 ここでのアプローチは顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の流れと…

「データサイエンスと経営を結び付ける方法」(ハーバードビジネスレビュー論文)

この論文ではデータサイエンスの成果が経営者にわかる言葉で伝達されないという「ラストワンマイル問題」に対する取り組み方法が提示されています。 統計学的な客観性を重視するデータサイエンティストと実務的な人事や方針などを決定する取締役には知識も関…

商いのレッスン:地域密着の心得(Wedge2024年8月号)

地域密着のチェーン店として紹介されているのは北海道南部で飲食店を展開するラッキーピエロです。 この地域ではマクドナルドを抑えて絶大な支持を得ているとされています。各店舗がユニークなコンセプトで個性を発揮しており標準化されたマクドナルドとは対…

日本企業が陥りがちな「徒競走的競争」に終止符を(Wedge 2024年7月号)

日本が欧米を追いかけていた時代は、目的が明確だったため、時間をかけて努力すれば、それなりの報いを得ることができました。 しかし、日本が欧米に追いついた平成初期のころからは日本が自ら顧客を創造しなければならない時代となっており、どれだけ時間や…

人の行動は「権力」によってどう変わるのか(デイビッド・デュボワ、「リーダーの持つ力」ハーバード・ビジネス・レビュー編集部)

権力は人を堕落させるといいます。この論文では確かに権力は人の心理を変化させるがそれは2つの効果が表れる結果であり倫理的でないかそうでないかは時と場合によるとしています。 まず権力をもつと意識している人はそうでない人よりも抑制が働かない場合が…

朝起きてアイデアが思いついたら何を問うべきか

「THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法」(シーナ・アイエンガー著)の第8章にビートルズの「イエスタデイ」が完成するまでの過程が紹介されています。 1964年ポール・マッカートニーが起床すると頭の中にメロディと歌詞が流れていたといいます。そ…

「日韓ではやる退職代行にモヤモヤ」(Newsweek 日本語版 2024年7月9日号)

日本で起業した筆者によると、日本発祥の退職代行は韓国でも流行ってきており、特に20代、30代の若者が利用するケースが多いということです。 私の身の回りでも中小企業経営者で社員が退職代行で辞めていき、モヤモヤした感じが残ったという話を聞くこと…

「80周年 ノルマンディー上陸作戦に学ぶ経営戦略」(文藝春秋2024年7月号)

日本では終戦から79年ということですがノルマンディー上陸作戦からはこの6月で80周年を迎えたということです。 ノルマンディー上陸作戦はドイツが支配するフランスをアメリカ、イギリス、カナダの連合軍が取り戻すという大きな軍事作戦でしたが、振り返…

「激変する時代にも変わらぬ信念 経営の〝神髄〟とは何か」(Wedge2024年6月号)

井村屋グループ代表取締役会長中島伸子氏と慶應義塾大学商学部准教授岩尾俊兵氏の対談が紹介されています。 井村屋は創業127年の老舗食品メーカーですが、「あずきバー」などのユニークなロングセラー商品を開発しています。 井村屋が商品開発で心掛けて…

創業194年の老舗旅館女将が持つ時代を見抜く観察眼と実行力

「ピンチこそ最大のチャンス 京都・綿善旅館の〝逆張り経営〟」(Wedge2024年5月号)では京都の老舗旅館の社長(女将小野雅世氏)の経営手法が紹介されています。 小野氏が旅館に入ったとき社員が面白くなさそうに働いているのを見て聴き取りを行い、人によっ…

面白味が優位性を生み出す

「よい戦略、悪い戦略」(リチャード・P・ルメルト著)は明快かつ鋭く一般の経営戦略に疑問を投げかける内容でした。 優位性とは自社と競合との非対称性であり違いがあるから戦略上の優位性が発生するのだと指摘します。 例えば、衣類について極めて優れた新…

企業コンサル「断捨離」のすすめ(選択2024年5月号)

記事によると大企業から中小・零細企業まで戦略、IT、M&Aなど様々な分野にコンサル業が存在しその市場規模は拡大しているといいます。ただその中には他社の成果をコピーしたものだったり、簡単なフレームでインターネットから抜き出したりしたものなど対価に…